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部屋に戻ったレイコはすぐにベッドに潜り、仰向けになる。

「いつだったかしら、ハルトとの出会いは・・・・・・。」



繰成 零子と香 春兎が初めて会ったのは、今から5年前のこと――――。


薄紅色のドレスを着た一人の少女は、夕方の城下町を歩いていた。


偶然、通りかかった花屋に、薔薇があったので、つい、欲しくなってしまった繰成零子は、店員を呼ぶ。

店の奥から出てきたのは、香 春兎(コウ・ハルト)という一人の少年だった。


「いらっしゃいませ、お姫様。」

ハルトは笑顔で接してくれた。

「こんばんは、ハルトくん。
薔薇をいっぱい欲しいの。」

一般人の店に、こんなに美しい顔立ちの男の子が居たなんて・・・・・・!

嬉しくて堪らず、満面の笑みを浮かべるレイコ。


「俺が、好きなだけ取って良いってことですね?」

なんて美しい王女様なんだ・・・・・・!と満面の笑みを浮かべるハルト。


「えぇ、勿論よ。」


結局、彼は47本の真っ赤な薔薇を取って、ラッピングし、レイコに渡した。

「これら赤い薔薇は、おいくらになりますの?」

「いえ、王族の方は無料でございます。」


「しかし、払わねば私の気がすまない。47本の赤薔薇、いくらだ?」

申し訳ないという顔をするレイコ。


「お姫様がそう仰せになられるなら、仕方がございません。
一般人価格の100ビアでございます。」

急に青ざめた顔をするハルト。

「何故、一般人価格なの?」

「ホントは、王族の方にはお勘定はさせてはいけないのですが、お姫様がどうしてもと仰せになるので・・・・・・。しかし、お姫様がお勘定なされば、俺の身に危険が・・・・・・。なので、お姫様がお勘定なされても誰にも気付かれぬよう、一般人価格にさせていただいたのでございます。」

背筋から青いものを流し、切羽詰まった様子で説明するハルト。


「そうか、そうか。分かった。」

と言うと、何故か恥ずかしそうな表情をするレイコ。

「あぁ・・・・・・、えと・・・・・・。」

「どうかなされましたか、お姫様?」

心配して、レイコの顔を覗きこむハルト。

「そんな敬語、もう遣うな。私と話す時は、敬語で話すでないぞ、ハルト・・・・・・。」


この時、ハルトは気付いた。
王女様の中の俺は、特別な存在にあると。


「俺、貴女と付き合いたい。」

「私も、付き合いたい。」






これが二人の出逢いだった。









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プロフィール
HN:
MIZURI†Fukami†Ryo
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/08/22
職業:
学生
趣味:
読書、音楽鑑賞
自己紹介:
野いちごで小説を書いてるものです。

なんとなく分かる」という方がいらっしゃれば、僕が誰だか分かりますね。

僕の正体を知っているのは、何人いるかな?



ま、んな感じで、これから小説を書くときもあれば、僕のことを書く時や、僕の日常生活を書くときもあると思います。

てなわけで、よろしく。

MIZURI†HUKARI†Ryo
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