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翌朝。
レイコはメイドに起こされた。
「レイコ様、レイコ様!!」
目をこすり、ゆっくり起き上がるレイコ。
「なぁんだ、ハルトかと思えばお前か。」
「なぁんだ、・・・・・・じゃないですよっ。花屋の息子が階下まで来てるんですよ。」
レイコはメイドのこの一言で、部屋を勢いよく飛び出し、階下まで走る。
「ハルト、・・・・・・ハルトはどこなの?」
階段を降りて辺りを見回すと、正面にハルトは居た。
「あら、久しぶりね。今まで何処で何してたの?」
ゆっくり、ゆっくり、流れていく時間の針を己の足で留めるかのように、ハルトに近づくレイコ。
「何処で何してたかって?
そんなの決まってるじゃないか。店で親の手伝いしてたの。」
ハルトは爽やかな笑顔で言う。
「ハルト、確か、今夜よね?」
レイコは舞踏会のことを聞く。
「あぁ、そうだな。衣装は、君と初めて会った時と同じだけど、良いよね?」
「えぇ、勿論。」そう言ってから、レイコは少し考えて、付け足すように言った。
「ハルトがあの頃と同じ衣装で来るなら、私もあの頃の衣装にしようかな。」
上機嫌なレイコを見て、ハルトはぼそっと呟いた。
「楽しみだな、あの頃に戻れると思うと。」
その後、二人は夜に会う約束をして別れた。
レイコはメイドに起こされた。
「レイコ様、レイコ様!!」
目をこすり、ゆっくり起き上がるレイコ。
「なぁんだ、ハルトかと思えばお前か。」
「なぁんだ、・・・・・・じゃないですよっ。花屋の息子が階下まで来てるんですよ。」
レイコはメイドのこの一言で、部屋を勢いよく飛び出し、階下まで走る。
「ハルト、・・・・・・ハルトはどこなの?」
階段を降りて辺りを見回すと、正面にハルトは居た。
「あら、久しぶりね。今まで何処で何してたの?」
ゆっくり、ゆっくり、流れていく時間の針を己の足で留めるかのように、ハルトに近づくレイコ。
「何処で何してたかって?
そんなの決まってるじゃないか。店で親の手伝いしてたの。」
ハルトは爽やかな笑顔で言う。
「ハルト、確か、今夜よね?」
レイコは舞踏会のことを聞く。
「あぁ、そうだな。衣装は、君と初めて会った時と同じだけど、良いよね?」
「えぇ、勿論。」そう言ってから、レイコは少し考えて、付け足すように言った。
「ハルトがあの頃と同じ衣装で来るなら、私もあの頃の衣装にしようかな。」
上機嫌なレイコを見て、ハルトはぼそっと呟いた。
「楽しみだな、あの頃に戻れると思うと。」
その後、二人は夜に会う約束をして別れた。
部屋に戻ったレイコはすぐにベッドに潜り、仰向けになる。
「いつだったかしら、ハルトとの出会いは・・・・・・。」
繰成 零子と香 春兎が初めて会ったのは、今から5年前のこと――――。
薄紅色のドレスを着た一人の少女は、夕方の城下町を歩いていた。
偶然、通りかかった花屋に、薔薇があったので、つい、欲しくなってしまった繰成零子は、店員を呼ぶ。
店の奥から出てきたのは、香 春兎(コウ・ハルト)という一人の少年だった。
「いらっしゃいませ、お姫様。」
ハルトは笑顔で接してくれた。
「こんばんは、ハルトくん。
薔薇をいっぱい欲しいの。」
一般人の店に、こんなに美しい顔立ちの男の子が居たなんて・・・・・・!
嬉しくて堪らず、満面の笑みを浮かべるレイコ。
「俺が、好きなだけ取って良いってことですね?」
なんて美しい王女様なんだ・・・・・・!と満面の笑みを浮かべるハルト。
「えぇ、勿論よ。」
結局、彼は47本の真っ赤な薔薇を取って、ラッピングし、レイコに渡した。
「これら赤い薔薇は、おいくらになりますの?」
「いえ、王族の方は無料でございます。」
「しかし、払わねば私の気がすまない。47本の赤薔薇、いくらだ?」
申し訳ないという顔をするレイコ。
「お姫様がそう仰せになられるなら、仕方がございません。
一般人価格の100ビアでございます。」
急に青ざめた顔をするハルト。
「何故、一般人価格なの?」
「ホントは、王族の方にはお勘定はさせてはいけないのですが、お姫様がどうしてもと仰せになるので・・・・・・。しかし、お姫様がお勘定なされば、俺の身に危険が・・・・・・。なので、お姫様がお勘定なされても誰にも気付かれぬよう、一般人価格にさせていただいたのでございます。」
背筋から青いものを流し、切羽詰まった様子で説明するハルト。
「そうか、そうか。分かった。」
と言うと、何故か恥ずかしそうな表情をするレイコ。
「あぁ・・・・・・、えと・・・・・・。」
「どうかなされましたか、お姫様?」
心配して、レイコの顔を覗きこむハルト。
「そんな敬語、もう遣うな。私と話す時は、敬語で話すでないぞ、ハルト・・・・・・。」
この時、ハルトは気付いた。
王女様の中の俺は、特別な存在にあると。
「俺、貴女と付き合いたい。」
「私も、付き合いたい。」
これが二人の出逢いだった。
「いつだったかしら、ハルトとの出会いは・・・・・・。」
繰成 零子と香 春兎が初めて会ったのは、今から5年前のこと――――。
薄紅色のドレスを着た一人の少女は、夕方の城下町を歩いていた。
偶然、通りかかった花屋に、薔薇があったので、つい、欲しくなってしまった繰成零子は、店員を呼ぶ。
店の奥から出てきたのは、香 春兎(コウ・ハルト)という一人の少年だった。
「いらっしゃいませ、お姫様。」
ハルトは笑顔で接してくれた。
「こんばんは、ハルトくん。
薔薇をいっぱい欲しいの。」
一般人の店に、こんなに美しい顔立ちの男の子が居たなんて・・・・・・!
嬉しくて堪らず、満面の笑みを浮かべるレイコ。
「俺が、好きなだけ取って良いってことですね?」
なんて美しい王女様なんだ・・・・・・!と満面の笑みを浮かべるハルト。
「えぇ、勿論よ。」
結局、彼は47本の真っ赤な薔薇を取って、ラッピングし、レイコに渡した。
「これら赤い薔薇は、おいくらになりますの?」
「いえ、王族の方は無料でございます。」
「しかし、払わねば私の気がすまない。47本の赤薔薇、いくらだ?」
申し訳ないという顔をするレイコ。
「お姫様がそう仰せになられるなら、仕方がございません。
一般人価格の100ビアでございます。」
急に青ざめた顔をするハルト。
「何故、一般人価格なの?」
「ホントは、王族の方にはお勘定はさせてはいけないのですが、お姫様がどうしてもと仰せになるので・・・・・・。しかし、お姫様がお勘定なされば、俺の身に危険が・・・・・・。なので、お姫様がお勘定なされても誰にも気付かれぬよう、一般人価格にさせていただいたのでございます。」
背筋から青いものを流し、切羽詰まった様子で説明するハルト。
「そうか、そうか。分かった。」
と言うと、何故か恥ずかしそうな表情をするレイコ。
「あぁ・・・・・・、えと・・・・・・。」
「どうかなされましたか、お姫様?」
心配して、レイコの顔を覗きこむハルト。
「そんな敬語、もう遣うな。私と話す時は、敬語で話すでないぞ、ハルト・・・・・・。」
この時、ハルトは気付いた。
王女様の中の俺は、特別な存在にあると。
「俺、貴女と付き合いたい。」
「私も、付き合いたい。」
これが二人の出逢いだった。
「大きな月だ。」
高嶋正悟は呟く。
「今日は、何の用?」
ドアの近くで立ち止まり、――まるで石にでもなってしまったかのように、――そこから一歩も動かないレイコ。
「まぁ、まぁ、そう怒るなよ。君が僕のことを気に入らないのは、もう知っている。」
窓辺で月を見ながら苦笑いするショウゴ。
「だから、用件は何だって聞いてんのよっ。」
苛々を募らせ、つい 怒鳴ってしまうレイコ。
「恐いなぁ、君は。」
月を見ながら言うショウゴ。
彼は続ける。
「今日、君を呼んだのは、次回の舞踏会で君と踊ることの許可を貰うためだ。」
部屋の空気が変わるのを感じるレイコ。
――緊張がはしる。
「嫌よ。私はハルトと踊るの。」
レイコは更に、残念だったわねと嫌味を込めて付け足した。
「そうか。分かった。じゃあ、僕は別の人を誘うよ。」
彼がそう言うや否や、レイコは回れ右をして廊下に出て、ドアを開けたまま、自分の部屋を目指し、胸を張って歩く。
ショウゴは自分の部屋から出て行くレイコを追いかける。
「話はまだ終わってないぞっ」
レイコの後ろ姿に向かって叫ぶ。
「何ですと?!さっきは舞踏会のことで呼んだと言っていたじゃないか!」
レイコは振り向かない。
「結婚式の話はまだしてなかっただろ、レイコ?」
「気安く私の名を呼ぶな!
私は あんたなんかと結婚しない。私はハルトと結婚するの。」
レイコの頬が紅く染まるのが、ショウゴには分かった。
「まぁ、今 君が言いたい放題であっても構わないさ。だって、君が僕を嫌っても君は強制的に僕と結婚させられるのだからね。」
「いいえ。私は誰が何と言おうと、ハルトと結婚するのよ。貴方も母も、私とハルトの関係を壊さないでよね。」
レイコが横を向く。
「残念ながら、そうはいかないんだ。だって、僕は君のことが好きだし、愛してるから。」
と彼が言った時、彼は既にレイコの背後に迫り、レイコの肩を抱いていた。
レイコは即座に抵抗したが、自分の肩が圧迫されて、動けない。
「お前の目的は何だ?」
「目的は、君だ。」
「嘘をつくな。どうせ、金なんだろ?」
「金なんかじゃない。君だ。」
「嘘をつくなと言っているだろ?!」
再び抵抗を試みるが、彼の腕が自分の胸元にさがり、両腕で固定されてしまった。
「結婚したら、君を幸せにするよ。」
そっとレイコの耳許で囁く。
「私はお前の愛など要らないし、幸せにしてもらう筋合いも無いわ。」
レイコはその手を離してと言った。
ショウゴは仕方なくレイコから離れた。
「今、君が僕を好きになれなくても、いつか必ず、僕を好きにさせてやるさ。」
「無理よ、そんなの。
貴方には、そんなことは出来ないわ。結婚も不可能よ。あたしは貴方と結婚なんかしないんだから。」
レイコはショウゴのほうを向き、目を大きく見開いて威嚇する。
「まぁ、そんなこと言ってられるのも今のうちだがね。」
ショウゴは部屋へ戻る。
「ケッ。所詮、あんたなんかハルトの足許にも及ばない人間よ。貴族だからって、偉そうにっ。」
怒りに身を任せ、ショウゴの部屋のドアを思い切り蹴り上げると、今度こそ自分の部屋へ戻った。
高嶋正悟は呟く。
「今日は、何の用?」
ドアの近くで立ち止まり、――まるで石にでもなってしまったかのように、――そこから一歩も動かないレイコ。
「まぁ、まぁ、そう怒るなよ。君が僕のことを気に入らないのは、もう知っている。」
窓辺で月を見ながら苦笑いするショウゴ。
「だから、用件は何だって聞いてんのよっ。」
苛々を募らせ、つい 怒鳴ってしまうレイコ。
「恐いなぁ、君は。」
月を見ながら言うショウゴ。
彼は続ける。
「今日、君を呼んだのは、次回の舞踏会で君と踊ることの許可を貰うためだ。」
部屋の空気が変わるのを感じるレイコ。
――緊張がはしる。
「嫌よ。私はハルトと踊るの。」
レイコは更に、残念だったわねと嫌味を込めて付け足した。
「そうか。分かった。じゃあ、僕は別の人を誘うよ。」
彼がそう言うや否や、レイコは回れ右をして廊下に出て、ドアを開けたまま、自分の部屋を目指し、胸を張って歩く。
ショウゴは自分の部屋から出て行くレイコを追いかける。
「話はまだ終わってないぞっ」
レイコの後ろ姿に向かって叫ぶ。
「何ですと?!さっきは舞踏会のことで呼んだと言っていたじゃないか!」
レイコは振り向かない。
「結婚式の話はまだしてなかっただろ、レイコ?」
「気安く私の名を呼ぶな!
私は あんたなんかと結婚しない。私はハルトと結婚するの。」
レイコの頬が紅く染まるのが、ショウゴには分かった。
「まぁ、今 君が言いたい放題であっても構わないさ。だって、君が僕を嫌っても君は強制的に僕と結婚させられるのだからね。」
「いいえ。私は誰が何と言おうと、ハルトと結婚するのよ。貴方も母も、私とハルトの関係を壊さないでよね。」
レイコが横を向く。
「残念ながら、そうはいかないんだ。だって、僕は君のことが好きだし、愛してるから。」
と彼が言った時、彼は既にレイコの背後に迫り、レイコの肩を抱いていた。
レイコは即座に抵抗したが、自分の肩が圧迫されて、動けない。
「お前の目的は何だ?」
「目的は、君だ。」
「嘘をつくな。どうせ、金なんだろ?」
「金なんかじゃない。君だ。」
「嘘をつくなと言っているだろ?!」
再び抵抗を試みるが、彼の腕が自分の胸元にさがり、両腕で固定されてしまった。
「結婚したら、君を幸せにするよ。」
そっとレイコの耳許で囁く。
「私はお前の愛など要らないし、幸せにしてもらう筋合いも無いわ。」
レイコはその手を離してと言った。
ショウゴは仕方なくレイコから離れた。
「今、君が僕を好きになれなくても、いつか必ず、僕を好きにさせてやるさ。」
「無理よ、そんなの。
貴方には、そんなことは出来ないわ。結婚も不可能よ。あたしは貴方と結婚なんかしないんだから。」
レイコはショウゴのほうを向き、目を大きく見開いて威嚇する。
「まぁ、そんなこと言ってられるのも今のうちだがね。」
ショウゴは部屋へ戻る。
「ケッ。所詮、あんたなんかハルトの足許にも及ばない人間よ。貴族だからって、偉そうにっ。」
怒りに身を任せ、ショウゴの部屋のドアを思い切り蹴り上げると、今度こそ自分の部屋へ戻った。
どぉも。
MIZURI†Fukami†Ryoです。
いやぁ、長ったらしいPNですいません;;
でも、個人的には気に入っているんです、このPN
僕ね、今日はお出かけしてました。
何処へ行ってたかって
それを言ったらバレてしまいそうなので、秘密にしておきます
僕ね、昔、「存在感ない」って言われたことあるんだ。
言われてすぐは、びっくりして、ショックうけたけど、
今になって思い出すと、あたしスゲェ能力があるんじゃん?!って思う。
なかなか居ないですよ、存在感を感じさせない人って。
だから、これもある意味、僕の特技なんじゃないかって思う。
いやぁ、僕って凄い。
僕には、皆には無い能力が備わってるようだね。
凄いなぁ、僕。
という、作者の話ぃ。
どうでしたか
じゃあ、またね
MIZURI†(←長いので、ここまでで省略しちゃいます。)
MIZURI†Fukami†Ryoです。
いやぁ、長ったらしいPNですいません;;
でも、個人的には気に入っているんです、このPN
僕ね、今日はお出かけしてました。
何処へ行ってたかって
それを言ったらバレてしまいそうなので、秘密にしておきます
僕ね、昔、「存在感ない」って言われたことあるんだ。
言われてすぐは、びっくりして、ショックうけたけど、
今になって思い出すと、あたしスゲェ能力があるんじゃん?!って思う。
なかなか居ないですよ、存在感を感じさせない人って。
だから、これもある意味、僕の特技なんじゃないかって思う。
いやぁ、僕って凄い。
僕には、皆には無い能力が備わってるようだね。
凄いなぁ、僕。
という、作者の話ぃ。
どうでしたか
じゃあ、またね
MIZURI†(←長いので、ここまでで省略しちゃいます。)
PAGE3
レイコがハルトに電話した直後、メイドがレイコの部屋に来る。
「お入り。」気配を察し、メイドを部屋に招く。
「レイコ様、ショウゴ様がお呼びでございます。」
メイドは扉の前で言った。
「仕方ないわね、良いわ、行く。あいつは、何処で 私を待ってるの?」
片手で髪の毛をグシュっと掴み、苦虫を噛んだような表情をするレイコ。
「お部屋でお待ちです。」
メイドは無表情のまま言った。
「分かったわ。すぐ行くと、あいつに伝えて。」
「かしこまりました、レイコ様。では、失礼します。」
メイドは扉を閉め、ショウゴの部屋へ向かう。
レイコは、メイドの足音が完全に聞こえなくなってから、大きなため息をついた。
「全く。何なのよ?!
何で、私なのよ?!」
夜の空にはいよいよ、雲に隠れていた満月が、姿を現した。
レイコがハルトに電話した直後、メイドがレイコの部屋に来る。
「お入り。」気配を察し、メイドを部屋に招く。
「レイコ様、ショウゴ様がお呼びでございます。」
メイドは扉の前で言った。
「仕方ないわね、良いわ、行く。あいつは、何処で 私を待ってるの?」
片手で髪の毛をグシュっと掴み、苦虫を噛んだような表情をするレイコ。
「お部屋でお待ちです。」
メイドは無表情のまま言った。
「分かったわ。すぐ行くと、あいつに伝えて。」
「かしこまりました、レイコ様。では、失礼します。」
メイドは扉を閉め、ショウゴの部屋へ向かう。
レイコは、メイドの足音が完全に聞こえなくなってから、大きなため息をついた。
「全く。何なのよ?!
何で、私なのよ?!」
夜の空にはいよいよ、雲に隠れていた満月が、姿を現した。
page2
自分の部屋に着くと、早速 ハルトに電話するレイコ。
「もしもし、ハルト?」
大理石の床の上に置かれた天蓋付きのベッドに腰を掛けるレイコ。
「・・・・・・もしもし、君か?」
声は、ハルトのものだった。
「ハルトなのね?!
――今、どこなの?」
好きな人の声を聞いて、興奮するレイコ。
「家に居る。」
レイコの彼氏、ハルトは花屋の裏に住む、一般人の子供。
今日も、花屋の手伝いをしていた彼は、疲れきっている。
「会いたいわ、ハルト。」
嘆くように言う、レイコ。
「否、今日はもう会えない。でもね、君の話なら、聞いてあげるよ?」
彼にそう言われ、レイコは豹変する。
「聞いてよ、ハルト!!さっき、メイドに、私と貴方の関係を否定するようなこと言うのよ?!信じられないわ!!しかも、私にはショウゴさんが居るじゃないかって言うのよ?!あたし、嫌よ。誰があんなエロオヤジと付き合うっていうのよ!!絶対、嫌だわ!!私は、貴方が良いの。」
レイコの言う、ショウゴとは、高嶋正悟のことだ。
ショウゴは、レイコよりかなり年上の男で、趣味はエロ本を読むこととドライブという、エロオヤジ。レイコの母・祥子の話によれば、ショウゴは49歳だそうだ。
「それはそれは、可哀想だ。
今すぐにでも、そんなやつから君を守りたいけど、俺には出来ない。一般人に生まれた自分が歯痒いよ。」
家の窓辺に立つハルトは、悔しそうな顔をして言った。
「守ってよ、ハルト。」
涙声で言うレイコ。
「次の舞踏会はいつだ?」
片手をズボンのポケットに突っ込むハルト。
「次は、明日の夜よ。絶対、来て。」
「ホントに?!」
「えぇ、ホントよ。だから、絶対、来て。」
藁をも掴む思いで言う。
「あぁ、行くよ。・・・・・・あいつは、来るのか?」
「来るわ。どうするつもりなの?」
「俺は、探偵と手を組む。舞踏会では君と踊る。その間に、探偵にあいつの行動を偵察させるんだ。そして、舞踏会直後に、必ずや、俺の手で仕留めてやるんだ。」
「早まるのは止しましょう、ハルト。あいつはまだ生かしてあげて?」
「何で?」
「まだ殺すことは無いわよ。」
「しかし、君が守れと・・・・・・」「――殺さなくても良いわ。ただ、私とあいつとの間を引き裂いてほしいの。私は、貴方と一緒に居たい。ただそれだけよ。」
「そうか。分かった。じゃあ、終わったら帰るよ。」
「いつか、必ず、私を迎えに来て。」
「当たり前だろ。じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい、ハルト。」
二人の会話は、そこで終わった。
自分の部屋に着くと、早速 ハルトに電話するレイコ。
「もしもし、ハルト?」
大理石の床の上に置かれた天蓋付きのベッドに腰を掛けるレイコ。
「・・・・・・もしもし、君か?」
声は、ハルトのものだった。
「ハルトなのね?!
――今、どこなの?」
好きな人の声を聞いて、興奮するレイコ。
「家に居る。」
レイコの彼氏、ハルトは花屋の裏に住む、一般人の子供。
今日も、花屋の手伝いをしていた彼は、疲れきっている。
「会いたいわ、ハルト。」
嘆くように言う、レイコ。
「否、今日はもう会えない。でもね、君の話なら、聞いてあげるよ?」
彼にそう言われ、レイコは豹変する。
「聞いてよ、ハルト!!さっき、メイドに、私と貴方の関係を否定するようなこと言うのよ?!信じられないわ!!しかも、私にはショウゴさんが居るじゃないかって言うのよ?!あたし、嫌よ。誰があんなエロオヤジと付き合うっていうのよ!!絶対、嫌だわ!!私は、貴方が良いの。」
レイコの言う、ショウゴとは、高嶋正悟のことだ。
ショウゴは、レイコよりかなり年上の男で、趣味はエロ本を読むこととドライブという、エロオヤジ。レイコの母・祥子の話によれば、ショウゴは49歳だそうだ。
「それはそれは、可哀想だ。
今すぐにでも、そんなやつから君を守りたいけど、俺には出来ない。一般人に生まれた自分が歯痒いよ。」
家の窓辺に立つハルトは、悔しそうな顔をして言った。
「守ってよ、ハルト。」
涙声で言うレイコ。
「次の舞踏会はいつだ?」
片手をズボンのポケットに突っ込むハルト。
「次は、明日の夜よ。絶対、来て。」
「ホントに?!」
「えぇ、ホントよ。だから、絶対、来て。」
藁をも掴む思いで言う。
「あぁ、行くよ。・・・・・・あいつは、来るのか?」
「来るわ。どうするつもりなの?」
「俺は、探偵と手を組む。舞踏会では君と踊る。その間に、探偵にあいつの行動を偵察させるんだ。そして、舞踏会直後に、必ずや、俺の手で仕留めてやるんだ。」
「早まるのは止しましょう、ハルト。あいつはまだ生かしてあげて?」
「何で?」
「まだ殺すことは無いわよ。」
「しかし、君が守れと・・・・・・」「――殺さなくても良いわ。ただ、私とあいつとの間を引き裂いてほしいの。私は、貴方と一緒に居たい。ただそれだけよ。」
「そうか。分かった。じゃあ、終わったら帰るよ。」
「いつか、必ず、私を迎えに来て。」
「当たり前だろ。じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい、ハルト。」
二人の会話は、そこで終わった。
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プロフィール
HN:
MIZURI†Fukami†Ryo
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/08/22
職業:
学生
趣味:
読書、音楽鑑賞
自己紹介:
野いちごで小説を書いてるものです。
なんとなく分かる」という方がいらっしゃれば、僕が誰だか分かりますね。
僕の正体を知っているのは、何人いるかな?
ま、んな感じで、これから小説を書くときもあれば、僕のことを書く時や、僕の日常生活を書くときもあると思います。
てなわけで、よろしく。
MIZURI†HUKARI†Ryo
なんとなく分かる」という方がいらっしゃれば、僕が誰だか分かりますね。
僕の正体を知っているのは、何人いるかな?
ま、んな感じで、これから小説を書くときもあれば、僕のことを書く時や、僕の日常生活を書くときもあると思います。
てなわけで、よろしく。
MIZURI†HUKARI†Ryo
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