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「大きな月だ。」
高嶋正悟は呟く。

「今日は、何の用?」

ドアの近くで立ち止まり、――まるで石にでもなってしまったかのように、――そこから一歩も動かないレイコ。


「まぁ、まぁ、そう怒るなよ。君が僕のことを気に入らないのは、もう知っている。」

窓辺で月を見ながら苦笑いするショウゴ。


「だから、用件は何だって聞いてんのよっ。」

苛々を募らせ、つい 怒鳴ってしまうレイコ。


「恐いなぁ、君は。」

月を見ながら言うショウゴ。
彼は続ける。

「今日、君を呼んだのは、次回の舞踏会で君と踊ることの許可を貰うためだ。」

部屋の空気が変わるのを感じるレイコ。

――緊張がはしる。


「嫌よ。私はハルトと踊るの。」

レイコは更に、残念だったわねと嫌味を込めて付け足した。


「そうか。分かった。じゃあ、僕は別の人を誘うよ。」


彼がそう言うや否や、レイコは回れ右をして廊下に出て、ドアを開けたまま、自分の部屋を目指し、胸を張って歩く。


ショウゴは自分の部屋から出て行くレイコを追いかける。

「話はまだ終わってないぞっ」
レイコの後ろ姿に向かって叫ぶ。


「何ですと?!さっきは舞踏会のことで呼んだと言っていたじゃないか!」

レイコは振り向かない。


「結婚式の話はまだしてなかっただろ、レイコ?」

「気安く私の名を呼ぶな!
私は あんたなんかと結婚しない。私はハルトと結婚するの。」

レイコの頬が紅く染まるのが、ショウゴには分かった。


「まぁ、今 君が言いたい放題であっても構わないさ。だって、君が僕を嫌っても君は強制的に僕と結婚させられるのだからね。」

「いいえ。私は誰が何と言おうと、ハルトと結婚するのよ。貴方も母も、私とハルトの関係を壊さないでよね。」

レイコが横を向く。


「残念ながら、そうはいかないんだ。だって、僕は君のことが好きだし、愛してるから。」
と彼が言った時、彼は既にレイコの背後に迫り、レイコの肩を抱いていた。

レイコは即座に抵抗したが、自分の肩が圧迫されて、動けない。

「お前の目的は何だ?」

「目的は、君だ。」

「嘘をつくな。どうせ、金なんだろ?」


「金なんかじゃない。君だ。」
「嘘をつくなと言っているだろ?!」

再び抵抗を試みるが、彼の腕が自分の胸元にさがり、両腕で固定されてしまった。


「結婚したら、君を幸せにするよ。」

そっとレイコの耳許で囁く。


「私はお前の愛など要らないし、幸せにしてもらう筋合いも無いわ。」

レイコはその手を離してと言った。

ショウゴは仕方なくレイコから離れた。

「今、君が僕を好きになれなくても、いつか必ず、僕を好きにさせてやるさ。」

「無理よ、そんなの。
貴方には、そんなことは出来ないわ。結婚も不可能よ。あたしは貴方と結婚なんかしないんだから。」

レイコはショウゴのほうを向き、目を大きく見開いて威嚇する。


「まぁ、そんなこと言ってられるのも今のうちだがね。」

ショウゴは部屋へ戻る。

「ケッ。所詮、あんたなんかハルトの足許にも及ばない人間よ。貴族だからって、偉そうにっ。」

怒りに身を任せ、ショウゴの部屋のドアを思い切り蹴り上げると、今度こそ自分の部屋へ戻った。






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プロフィール
HN:
MIZURI†Fukami†Ryo
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/08/22
職業:
学生
趣味:
読書、音楽鑑賞
自己紹介:
野いちごで小説を書いてるものです。

なんとなく分かる」という方がいらっしゃれば、僕が誰だか分かりますね。

僕の正体を知っているのは、何人いるかな?



ま、んな感じで、これから小説を書くときもあれば、僕のことを書く時や、僕の日常生活を書くときもあると思います。

てなわけで、よろしく。

MIZURI†HUKARI†Ryo
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